7th Heaven Koza道路拡張で閉店へ─コザの音楽を支えた唯一無二の場所

※ぽすBee誌面では「2027年2月」となっていますが正しくは「2027年12月」です。
読者の皆さま、ならびに関係者の方々にお詫びして訂正いたします。

目次

セブンスヘブンコザが問いかける「音楽の価値」

沖縄市コザのライブハウス、セブンスヘブンコザが2027年12月、道路拡張工事に伴い建物ごと取り壊されることが決まった。都市開発の一環として進められる事業であり、利便性の向上という利点がある一方、地域の音楽文化を支えてきた“場”が失われることになる。

同店は、沖縄ロックの大御所 ジョージ紫 の息子であるレイ氏とレオン氏がオーナーを務めるライブハウスだ。
国内外で活躍する有名アーティストが数多く訪れ、県外からも常連客が足を運ぶ、全国的にも珍しい存在として知られている。

沖縄出身の人気バンド ORANGE RANGE や HY もデビュー以前にこの場所で演奏しており、HYの「ホワイトビーチ」のデモ音源はここで録音された。過去にはLOUDNESSのギタリスト高崎晃、アニメソング界のレジェンド影山ヒロノブ、デーモン閣下、X JAPAN の PATA、TAIJI も演奏している。

国内外で活躍する大物アーティストがこの規模のライブハウスで演奏するのは珍しく、全国的に見てもなかなかない存在だ。

「世界で活躍するようなアーティストがセブンスで演奏してくれるのは本当にうれしい。
地元のバンドで印象に残っているバンドはHYとオレンジレンジ。HYは当時“ヒガシヤケナ”という名前で活動していましたけど、そのころからから華やかでしたね。学園祭終わりにみんな流れてくるような雰囲気がありました。」レイ氏はそう振り返る。

“ミラクル”が生まれる場所

セブンスヘブンコザの魅力は、出演者の顔ぶれだけではない。レイ氏による独自企画もこの店を象徴する要素だ。ジャンルや立場にとらわれないイベントが数多く実施され、通常では実現し得ない組み合わせのセッションも生まれてきた。
飲みに行こうとした店が閉まっていて別の店へ。そこで偶然居合わせたバンドマンが「沖縄でやりたいよねー」と話していたことから交流が始まり、ライブにつながったこともある。奇跡のセッションは、人とのつながりや親睦から生まれる。箱そのものの魅力はもちろんだが、レイ氏の人柄も大きいと思う。

国交省PPPサポーターは語る。
「こんな場は全国的に見ても他にない。基地がある環境も実は特殊で、コザミュージックはいろんな壁を乗り越えて“本物”を生み出してきた文化。レイさんの企画で海外からアーティストやお客さんが来るなどのインバウンド効果、県外からの来客によるプラスも大きい。セブンスヘブンコザが無くなることは地域にとっても大きな損失だと思う。でも、なくなるんじゃなくて新たな形で生まれ変わると思って応援してほしい」

奇跡を生む空間は、簡単に代替できるものではない。

コザの音楽シーンを支えてきた拠点の閉店に惜しむ声

「県外から来ている常連が多い」ことも、この店の特徴の一つだ。

和歌山県から通うクボタさんは、ジョージ紫 のアルバム『パープルエッセンス』をきっかけにファンとなり、ライブに足を運ぶようになった。セブンスにも頻繁に訪れ、2月時点で「今年3回目」。
「こんなミラクルが起こるような場所がなくなるなんてありえない。移転先を見つけるなり、どうにか存続してほしい」

県外からの来客について、レイ氏はこう語る。「飛行機代や滞在費を入れると十何万円もかかるでしょう、それでも足を運んでくれる。そのくらい価値があることをやれているんだって思える。とてもうれしい」

音楽を目的に、時間と費用をかけて訪れる人がいる。その事実が、店の存在価値を裏付けている。

また、元店員のジョシュアさん、ショウゴさんも声をそろえる。
「学生のとき、ここで初めてプロの演奏を見て衝撃を受けた。自分のバンドマン人生の転機になった場所。無くなるのはとても寂しい」
若者が生でプロの音に触れ、人生が変わる。セブンスヘブンコザは、そんな瞬間を幾度も生み出してきた。
繰り返しになるが、継承していく「場」が失われるのはとても大きな損失である。

2月に行われたF.O.Dの復活ライブ
動画でもかっこいいですが、生で見るとさらに感動します!


「ライブハウス」への思い

「ジョージ紫の息子だから小さいころから音楽の英才教育を受けてきたんでしょ?」とよく言われるが実は違う。
幼少期をアメリカで過ごし、沖縄に帰ってきた際に観た父のライブがきっかけだそう。
「かっこいい!と衝撃を受けて。音が心臓までビリビリくるこの感じは生演奏以外では体験できない」

セブンス以前は喜屋武幸雄さんが経営する「ライブカフェコザ」だった同店。
店舗オーナーは「ライブハウスはちょっと…」と渋い顔をしたが、そこをどうにか!と頼み込んで開店にこぎつけた。

「ほんとなにもなくて、ようやく一個持てるくらいの重い砂利の袋を階段上り下りして一個一個運び出して、壁も自分たちで塗って。笑 今思うと大変でしたね」

「この辺で演奏してたので、この辺でやれたらと思っていたんです。昔は“ライブハウス”というもの自体がなくて、車に楽器を積んで自分たちで組んで、演奏して、自分たちで撤収していた。僕たちはそれをやってきた最後の世代だと思う。今は楽器がお店にあって、でしょう?そういう場所を自分たちで作れたらなーって。」
“ライブハウス”という場所への思いは強い。

壁のペンキも自分たちで塗っています

最初に浮かんだのは「どうしよう」という言葉

拡張が決まったとき、最初に浮かんだのは「どうしよう」という言葉だった。

「音楽がない人生なんて考えられない」本当は2023年に解体予定だったが、コロナで延びた。
「2027年12月に更地予定だよ~って、シアタードーナツの宮島くんからつい最近聞いたんですよ。笑」

今後の予定は「まだ決まっていない。やるならこの近辺(一番街近郊)と思っている、苦情が来なくてある程度の広さがあって。普久原楽器さんがビルを建てて移転するのでそこの地下にできたらいいな!なんて思ってたんですけど、場所が諸見だったのであぁそっか~って。この辺じゃないと、って思ってますね。」

音楽の価値を上げたい

レイ氏が強調するのが「音楽の価値」だ。

「なんとなく無料で見るものではなく、お金を払って足を運んで聴くものになってほしい。演者にきちんとお金が入る仕組みが構築されたら、と思う」

ライブは、ただの娯楽ではない。演者がいて、場所があって、観る人がいて、継承していく「文化そのもの」だ。対価を支払うこともまた、音楽を支える行為だという。

取り壊しまで残された時間は限られている。
残された時間は1年とちょっと。
まだ訪れたことのない人は一度、訪れたことのある人はもう一度でも多く、足を運んでほしい。

沖縄ライブハウス 7th Heaven Koza

【所在地】沖縄県沖縄市中央1丁目2−10 3F
【電話】098-982-1987
【公式HP】沖縄ライブハウス 7th Heaven Koza

地図ではココ

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ファブル第三部出ていてうれしい

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